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衣服を保管する

防虫対策

一般家庭には衣類を食べて成長する害虫がいます。特に、外出時等で衣類に虫の卵を産みつけられ、その卵がタンスやクローゼットの中でふ化して虫食いを受けるケースが多いです。
このページではそのような虫食い被害を防止し、衣服を長く楽しむための防虫対策について紹介します。

虫食い被害に遭うケースとは

衣料害虫の好物について
衣料害虫が好む衣類は、繊維が毛(ウール)や絹(シルク)など、いわゆる動物繊維が使用されている衣類です。動物繊維が好まれる理由は、繊維の中にタンパク質が含まれており、それが衣料害虫の好物(栄養源)だからなのです。

また、衣類に食べこぼしのシミや汗等が付着していると、それらも衣料害虫の栄養源となり、その他の繊維(綿や麻等の植物性繊維や合成繊維類)も虫食いの被害を受けることがあります。

衣料害虫が好む環境について

衣料害虫は、春から夏の終わりまでの温かい季節に、暗い場所で通気性が悪く湿度の高い場所を好み、活動します。
ただでさえ高温多湿な気候をもつ日本においては、世界的な地球温暖化による気温の上昇や、エアコンの普及による冬場での室内温度の上昇傾向や、収納にタンスではなく密閉性の高いクローゼットを用いるなどにより、衣料害虫の住みやすい環境がますます整ってきています。
そして最近では、気密性の高い建物構造を持つマンションの普及により、住人にとっては通気性や室内温度の観点からしても、特に1年中注意が必要な環境に置かれていると考えておいたほうが無難だと言えます。

食害量と温度や湿度との関係

食害量と温度との関係をみると10℃以下での食害は殆どみられず、15℃以上になると目立つようになり、20℃以上で顕著になります。食害のピークは25℃~30℃で、35℃になると非常に少なくなります。
湿度と食害量との関係をみると、10%以下での食害は少なく、30%で顕著になり食害のピークは50~80%で、90%以上になると少なくなります。
以上のことから目安として、下記の環境下では注意を要すると言えます。
温度:25~30℃
湿度:50~80%


衣料害虫の正体

衣類を食べる害虫には、カツオブシムシ類やイガ類がありますが、成虫は衣類を食べることはありません。実は幼虫が衣類を食べます。しかも、この幼虫時期は、年間を通して"長い"といった特徴があります。

害虫から衣類を守る方法とは

防虫対策のポイントは、害虫の好む環境を作らないこと。つまり、衣服に対し害虫が嫌がる環境を整えてあげることです。

 
日頃のお手入れについて
   
羊毛(ウール)など動物繊維が用いられた衣服は必ずクリーニングに出し、しっかり汚れを落とすこと。
   
植物繊維や合成繊維が用いられた衣服でも、食べこぼしや汗のシミなどに気を使い、しっかり汚れを落とすこと。
 
収納について
クローゼットに収納する場合は、通気性も悪く湿度も高いため、少なくとも除湿剤を用いること。
クリーニング直後の衣類には仕上げ等で使った蒸気による湿気を含んでいることがあるため、収納前にはポリ袋から出し、風通しの良い場所に数時間吊るしてから収納すること。
防虫剤を正確に使うこと。
   

防虫剤の正しい使用方法

防虫対策は、市販されている防虫剤を用いることが広く知られていますが、どれも同じという訳ではありません。使用方法を誤ると思わぬ結果を引き起こす場合もあるので、注意が必要です。
防虫剤には、「パラジクロルベンゼン」「ナフタリン」「しょうのう」「ピレスロイド系」の4種類に分けられます。
防虫剤の種類
防虫剤名(薬剤名)主な特徴避けたい製品
パラジクロルベンゼン揮発性が高いので効果が早い。使用量や収納スペースによって異なるが、約3~6カ月程度効果があるといわれています。金糸・銀糸・ラメ製品・スチロール樹脂の付属品や人形類・合成皮革
ナフタリン効果はゆっくりしているが、持続性があるのが特徴。使用量や収納スペースによって異なるが、約12カ月程度効果があるといわれています。合成皮革製品
しょうのう穏やかな効き目であり、絹製品などにも適している。使用量や収納スペースによって異なるが、約6カ月程度効果があるといわれています。金糸・銀糸等との接触に注意
ピレスロイド系臭いがつかないことが最大の特徴。使用量や収納スペースによって異なるが、約6~12カ月程度効果があるといわれています。真ちゅう等の銅合金の付属品
使用の注意点
2種類の防虫剤を同時に入れると液化して、衣類にシミを作ったり、衣服の染料が溶解したりしますので、注意が必要です。
収納での注意点
防虫剤は衣類の詰め込み過ぎはシワや型崩れの原因となったり、防虫剤の効果が半減したりしますので、少々ゆとりをもたせて下さい。

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