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洗濯洗剤について整理しよう<衣服の生活習慣病を防ぐ④>

昨今の洗濯機や衣服(繊維)の進化に合わせ、洗濯洗剤や洗濯関連商品の開発・販売も進んでいます。
しかし、香りや値段だけで洗剤を選んではいませんか?
本当は「どの汚れにどの洗剤が良いのか」、「どの洗濯機にどの洗剤が合うのか」などから洗剤を選択することが理想です。
ここでは、洗剤の形状や使用用途について解説します。

洗濯洗剤の働き

汚れには、水で落ちるもの(水溶性汚れ)と、油を用いると落ちるもの(油溶性汚れ)、水でも油でも落とせないもの(不溶性汚れ)があります。
(参考:汚れの種類
洗濯とはこうした汚れを落とす行為を指しますが、家庭洗濯において、この時衣服の汚れを浮き上がらせて落とす働きをするのが洗濯洗剤なのです。
衣服に付着する汚れのほとんどは皮脂や油にチリやほこり・汗が混ざったもので、本来は水だけで落とすことは困難です。
しかし、洗濯洗剤を用いることで洗剤に含まれている様々な成分(界面活性剤など)が衣服の繊維に入り込み、汚れを繊維から浮かび上がらせてくれるのです。


洗濯する時には専用洗剤を使う

洗濯洗剤として市販されている洗剤は大きく「中性洗剤と弱アルカリ性洗剤」に分けることができます。中性洗剤と弱アルカリ洗剤では性質が異なるため、汚れの具合や洗濯する時の優先順位を考えて洗剤を選びます。
参考:洗剤を知る~中性と弱アルカリ性~

また、洗濯する衣服の繊維も洗剤を選ぶ時の大きな基準になります。
衣服には必ず洗濯絵表示が付いています。その絵表示に従って、衣服に合った洗剤を使いましょう。
参考:洗濯を始める前の準備

中性洗剤
中性洗剤は、比較的洗浄力よりも色落ちや風合変化を防止する力が優れています。
そのため、皮膚に直接触れず、かつあまり汗をかかない冬に着用することが多いセーターやデリケートな繊維やデザインが施された衣服の洗濯に向いていて、一般的には「オシャレ着洗剤」として市販されています。
洗濯絵表示で「手洗い」を示すマークが付いている衣服は中性洗剤を使うことになりますが、例えば洗濯機に「手洗いモード」がない場合などは、中性洗剤を用いて手洗いすることもできます。
弱アルカリ洗剤
弱アルカリ洗剤は洗浄力が高いので、皮脂やアカ、食べこぼしなどの汚れを落とすことに優れた洗剤です。
しかしデリケートな衣服を弱アルカリ洗剤で洗濯してしまうと、風合や感触が変わってしまう場合があるので注意が必要です。
洗濯絵表示で手洗いを示している衣服やデリケートな衣服に、明らかな汚れ(食べこぼしのシミや泥など)が付いてしまい洗浄力の高い洗剤で洗いたい場合は、自宅では洗濯せずクリーニング店に依頼しましょう。


さて、ここで洗濯洗剤の形状について整理してみたいと思います。
利便性の向上に合わせて様々な形状の洗剤が販売されていますが、洗剤の形状によってどの様な特徴があるのでしょうか。

粉末洗剤
粉末洗剤
粉末洗剤の一番の特徴は、洗浄力の高さです。
しかし水に溶けにくく衣服に残ってしまうことがあるので、気温の低い日などはぬるま湯を使用したりゆすぎを十分に行うなどの工夫も必要です。


液体洗剤
液体洗剤
家庭洗濯で最も使用されている液体洗剤の一番の特徴は水に溶けやすいことです。
洗濯では、洗浄成分の溶けた水が衣服の繊維に入り込み汚れを繊維から浮かび上がらせて落とすため、水に溶けやすいことはとても重要なポイントです。
安価でたくさんの種類があるところも大きな特徴です。


ジェルボール
ジェルボール
ジェル状の洗剤が透明のフィルムに覆われている洗濯洗剤で、フィルムは自然と溶けていきます。
計量や詰め替えが不要で、液だれもしないので気軽に使えるのが一番の特徴です。
節水・時短を目的に、最初からすすぎの回数が少なくてすむように作られているものもあります。


固形石鹸
洗濯機に入れて使う、粉末・液体・ジェルボールと若干種類が違いますが、頑固汚れに強い固形石鹸は、昔からの愛用者も多くいます。
固形石鹸は、衣服の襟や袖の皮脂汚れを部分洗いや前処理をしてから洗濯機で仕上げるのが一般的です。


ちょっとひとやすみ...
~洗剤にまつわる用語の確認をしよう~


蛍光増白剤とは...
蛍光増白剤(蛍光剤)とは、紫外線を吸収し青白い光を出す効果がある塗料の一種です。その効果を利用して、衣服などの白色をより白く見せるために用いられます。ベージュ・ピンク・グレーなど、淡色の衣服の場合は変色する可能性があるため、無蛍光タイプがおすすめです。
蛍光増白剤(蛍光剤)が配合されているか否かは、洗剤の注意書きで確認することができます。


濃縮洗剤とは...
液体洗剤の一種ではありますが、液体洗剤の中に含まれる水分を極限まで減らし、洗剤成分だけをぎゅっと濃縮した洗剤です。
水分を減らしたことでコンパクトサイズになったこと、今までの洗剤よりも少ない量で洗濯ができることなどが特徴です。

柔軟剤
正確に言えば「洗濯洗剤」ではありませんが、洗濯に欠かせない柔軟剤はどのような働きをしているのでしょうか。
柔軟剤は、衣服を柔らかくする仕上げ剤です。
洗剤は衣服に付着した汚れを落としますが、柔軟剤で仕上げることにより衣服を柔らかくして着心地をよりよくできます。
さらに、大きな役割を担っているのが「香り付け」です。
様々な香りの種類が市販されていますが香りの感じ方は人により異なるため、香りの強さには注意が必要です。


漂白剤
漂白剤とは、化学的にシミや汚れの色素や汚れ自体を分解したり、除菌・殺菌することができる薬剤で、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤があります。
塩素系漂白剤は、漂白能力が高い分衣服の色柄も落としてしまう可能性があるため、白物にしか使えません。
一方酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤に比べて漂白能力は劣りますが、色柄物にも使用することができます。
参考:漂白剤を誤解していませんか?消臭効果もあり!


付加価値がついた洗剤も開発されている

ここまで、洗濯洗剤・柔軟剤・漂白剤と、それぞれの働きを整理し
洗濯洗剤は汚れを落とし、柔軟剤は衣服を柔らかくし、漂白剤はシミを分解したり除菌する効果があるということがわかりましたが、近年洗剤に柔軟や漂白機能を付けた商品が見受けられるようになりました。

洗濯洗剤についている付加価値の一例

柔軟剤機能
柔軟剤成分入りの洗剤は、汚れを落とすと同時に衣服に香りを付けたり、衣服を柔らかくしたりすることができる機能です。
柔軟剤を使わず洗剤だけで洗った時の、柔らかすぎない仕上りを好まれる方にも人気があります。

除菌・消臭・ウイルスガード機能
梅雨時の室内干しなどに効果を発揮します。
「衣服についた臭い・ウイルスを取る」に加え、「衣服に臭いやウイルスを付きにくくする」という役割も果たします。

花粉ガード機能
今や、日本の人口の4割近い人が患っているというデータもある花粉症。花粉は、直接体内に侵入すること以外に、衣服に付着したものが舞い上がって体内に侵入することもあるため、この機能を重視している方も多いでしょう。

涼感・速乾機能
涼感をウリにした下着や衣服は一般的に定着してきましたが、洗濯洗剤からも洗い上がりの衣服をひんやり感じさせる香りや吸収した汗をすぐに乾かす速乾機能を付けた商品が開発されています。
 
 
 
様々な付加価値の付いた洗剤が登場し、私たちの生活はより便利で快適なものになりました。
しかし様々な洗剤が開発されている一方で、赤ちゃんや皮膚の弱い方・敏感肌の方からは洗剤成分が原因でかぶれを起こしたりトラブルになる事例も報告されています。
小さなお子様や皮膚疾患をお持ちの方は、洗剤を選びには注意しましょう。
なお付加機能の効果を最大限に発揮させたい場合には、洗剤とは別に柔軟剤や漂白剤を使用する方が効果を得られやすいと言えます。

まとめ

洗剤は、汚れの種類や特徴、衣服を着用される方の皮膚に合わせて適切な洗濯洗剤を用いることが大切です。そして、その洗剤や仕上げ剤などにもたくさんの種類があります。
洗剤や仕上げ剤を香りやパッケージ、金額で選んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、洗いたい衣服と特性が合う洗剤を選ぶことが大切です。
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